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デジタル カメラ nikon またひとつ「日本の宝」が消えてしまった。
映画『火蛍の墓』に登場したことで、海外にもファンの多い「サクマ式ドロップス」を製造する佐久間製菓が2023年1月に廃業してしまうのだ。
廃業の理由は同社によれば、「新型コロナの影響による販売の落ち込みに、原材料費の高騰が重なり経営が悪化していた」(NHK首都圏ナビ 11月11日)からだという。
「サクマ式ドロップス」を製造する佐久間製菓が廃業
ただ、個人的にはちょっと違うのではないかと思っている。
「なぜ廃業するのですか?」とマスコミに問われたので、会社としては直近の財務状況から、「コロナ」や「原材料高騰」という要因を挙げただけ。この2つはあくまで「廃業」という決断の背を押しただけなのではないか。
サクマ式ドロップ
同社をこのような苦境に追いやったのは、日本の多くの中小企業に共通する別の大きな問題がある。それは「新たな成長の柱」をつくることができなかったということだ。
「サクマ式ドロップス」という国民的知名度抜群のロングセラー商品への依存を断ち切ろうと、収益構造の改革などさまざまなチャレンジを続けてきたが、残念ながら現在にいたるまで結果が出すことができなかった。そのようなビジネスモデルに大きな問題を抱えてじわじわと経営が低迷していたところに、コロナが直撃してさらに追い討ちをかけるように原材料高騰があった、という構図だ。
お菓子がダメなら薬でk8 カジノ お菓子がダメなら薬で
神戸 天皇 杯 なぜ筆者がそのように考えるのかというと、実は今から35年以上前、佐久間製菓は「今の商売を続けていてもジリ貧だ」ということで、経営の根本から見直す大きな改革に手をつけているからだ。それがうかがえるのが、以下の新聞記事だ。
「佐久間、お菓子がダメなら薬で――殺菌ドロップ生産再開」(日経産業新聞 1984年8月20日)
「佐久間製菓――医薬・健康志向品に参入」(同上1986年12月23日)
実はキャンディーの販売が落ち込んでいたのは、今に始まった話ではない。80年代は子どもの数はまだ増えていたものの、メーカーが乱立して菓子のバリエーションが一気に増えたことで、高度経済成長期ほど市場が成長しなくなっていたのだ。そこで、佐久間製菓の横倉千穂社長(当時)が「生き残る」ために決断したのが、「医薬品」と「健康志向品」への参入だった。
戦前の缶(出典:佐久間製菓)
2007年、実写映画『火垂るの墓』参画(出典:佐久間製菓)
まず工場内に新たに製造ラインを増設して注力したのが、「サクマロン」という口の中を殺菌、消毒するという医薬品ドロップだ。実は同社は1962年に「佐久間の咳止めボンボン」を開発して、三共製薬から販売するなど医薬品製造の実績があった。この「サクマロン」も67年には既に開発していて厚生労働省の認可も受けていた。
この「強み」を生かしてもうひとつの「新たな柱」としようとしていたのが、「医薬品と菓子の中間的な商材」だという健康志向品だ。ハーブエキス入りの「サクマ式ハーブドロップス」を発売したほか、「国内の大手医薬品メーカー三社にOEM(相手先ブランドでの生産)供給をするなど医薬品業種とのジョイントを着々と進めている」(同紙)とメディアからも「菓子から医薬品へ」という転身が注目されていた。
この大胆な経営改革を進めた横倉社長は、「サクマ式ドロップス」などの菓子が8割を占めている売上構成比率を変えて、菓子分野を7割まで落とすと宣言。医薬品や健康志向品を拡大して、3年後に年商50億円まで伸ばすと気を吐いていた。
「激戦区」を攻めてしまったk8 カジノ 「激戦区」を攻めてしまった
ロッピング 枕 整体 が、残念ながらこの目標は達成できなかった。売上構成比率は変わったが、売上目標は遠く及ばなかったのである。それがうかがえるのが、10年後の新聞報道だ。
『佐久間製菓の年間売上高は約37億円(95年9月期)。ロングセラーの「サクマ式ドロップス」が主力で、健康志向型商品はまだ全体の3割程度にとどまっている』(日経産業新聞 1996年2月19日)
(出典:佐久間製菓)
なぜ「新たな柱」は育たなかったのか。答えはシンプルで、実は佐久間製菓が自分たちの「強み」だと考えて参入した分野というのは、他の多くのプレイヤーも自分たちの「強み」と考えて既に参入しており、激しい競争を繰り広げていた「レッドオーシャン」だったのだ。
例えば、同社が「佐久間の咳止めボンボン」を販売した62年というのは、4種の生薬を入れたドロップ「固形浅田飴クール」「固形浅田飴ニッキ」が発売された年だ。
浅田飴は大正時代から売られていたが、この商品が「せき・こえ・のどに浅田飴」というキャッチコピーとともにテレビCMで流されたことで、さらに人気となった。これを受けて、龍角散も67年に「龍角散トローチ」を発売している。
1967年に「龍角散トローチ」を発売(出典:龍角散)
「競合」も既に動いていた。佐久間製菓が医薬品と健康志向品の製造ラインを増設していた84年からさかのぼること3年、81年にカンロ飴は「健康のど飴」を発売している。これは同社の沿革によれば、『菓子食品分野で初となる「のど飴」』だという。実際、これ以降、多くのメーカーが「のど飴」分野に参入していく。
つまり、佐久間製菓が「サクマ式ドロップス」に代わる「新しい柱」として期待していたジャンルは、既に多くの企業が同じことを考えて、続々と新商品を投入していた「激戦区」だったのだ。
苦戦を強いられた背景k8 カジノ 苦戦を強いられた背景
トワーズ 麻溝台 k888vip.pro こういう血で血を洗うレッドオーシャンは厳しい言い方だが、弱い者から力尽きる。ものを言うのはテレビCMなど宣伝力や、薬局やスーパーの売り場を確保できるのかという「ねじ込む力」だからだ。
実際、同社がかなり苦しい戦いを強いられていたことは、横倉社長のコメントからもうかがえる。新聞記者に健康志向の市場が大にぎわいで、「健康」や「医薬」を掲げた佐久間製菓にとっても飛躍のチャンスではと水を向けられて、社長はこんな愚痴をこぼしている。
「宣伝力では総合菓子メーカーにかなわない。当社のスローガンなどどこかに忘れられてしまいそう」(日経産業新聞 1998年9月1日)
この時期、佐久間製菓は大手油脂メーカーと協力して、ビフィズス菌を閉じ込めたヨーグルトキャンディを開発した。薬剤を患部まで直接送り届けるという医薬品の技術を応用したもので、菓子に応用したのは異例のことだった。
(出典:佐久間製菓)
しかし、残念ながら、そんな画期的な技術を応用した「おなかの友だちヨーグルト」は、「サクマ式ドロップス」に代わるような主力商品にはならなかった。
活きた乳酸菌ヨーグルト(出典:佐久間製菓)
もちろん、その後も佐久間製菓はさまざまなチャレンジを続けた。99年にはこれまでの強みを生かして医薬品部外品の「エチケットロップ」も販売した。
だが、これらの画期的に新製品が現在、販売されていないことからも分かるように、横倉社長がかつて「生き残り」のために目指した、医薬品や健康志向品を新たな成長のエンジンに……というところまではいかなかったようだ。
その厳しい現実をよく示しているのが、同社の公式Webサイトだ。
「強み」が「弱み」にk8 カジノ 「強み」が「弱み」に
山 佐 スーパー プラネット トップ画面から「サクマ式ドロップス」の画像が大きく掲載され、「皆さまに愛されて114年」とある。社名の横にも「サクマ式ドロップス」の画像があり、主力商品として大きく打ち出していることが分かる。かつて社運をかけてチャレンジをした分野は「ヘルシーライフ」というカテゴリーになっているが、それほど大きな扱いではない。
佐久間製菓の公式Webサイト
断っておくが、佐久間製菓の経営判断が誤っていたなどと指摘したいわけではない。ここが、中小企業の経営の最も難しいところだと言いたいだけだ。
これまで見てきたように「サクマ式ドロップス」で地位を確立した佐久間製菓は、菓子メーカーでありながらも医薬品を製造できるほどの高い技術力に自信があって、そこを「強み」と捉えていたことが分かる。「サクマ式」という画期的な菓子製法を生み出した創業者のDNAを引き継いでいるのだから当然だ。
しかし、その「強み」が「弱み」になってしまった。
競合や老舗製薬会社などが既に激しい競争を繰り広げているレッドオーシャンに自ら飛び込んで、巨大資本を相手に消耗戦を戦ってしまったのは、自分たちの高い技術力を「過信」していたからだ。技術さえあれば、この劣勢をひっくり返すことができると信じたからではないのか。
(出典:佐久間製菓)
これまで取材やコンサルで、さまざまな中小企業を見てきたが、経営がたちゆかなくなってしまう中小企業は、こういう「技術至上主義」に陥っているケースが多い。高い技術力があるだけに、そこに固執し自分で自分の首を絞めてしまうのである。
もし佐久間製菓が「医薬品」や「健康志向」などに参入しても勝ち目はないと判断して、「多角経営」の方向性を変えていたら、どうなっていたのか。例えばの話だが、「サクマ式ドロップス」のブランドを使って、グミ、アイス、さらには飲料などに広げて、カフェ経営などしていたらどうか。「サクマ式ドロップス」への依存を強めて、もっと早くに廃業していたかもしれないし、あるいは――。
廃業に追い込まれたプロセスがあるk8 カジノ 廃業に追い込まれたプロセスがある
サッカー 日本 代表 グッズ 販売 いずれにせよ、1948年に設立した同社が74年間もビジネスを続けてこられたのは、販売の落ち込みや円安による原材料高騰など幾度とあった「危機」を経営努力で何度も乗り越えてきたからだ。
「サクマ式ドロップスの製造元」として報じられるので、あたかもこのロングセラーの一本足打法でやってきたような印象を受けるかもしれないが、ここに至るまで、サクマ式ドロップス依存体質からの脱却を目指して、さまざまな新しいチャレンジや工夫をしてきたのだ。
トドメを刺したのは確かに「コロナ禍」や「原料高騰」かもしれないが、廃業する企業には廃業に追い込まれるだけのプロセスがあり、そこに逆らって生き残りを画策していた人たちの努力があるのだ。
そういうところにしっかりと目を向けないと、日本経済を弱体化させていくだけだ。
佐久間製菓 サクマ式ドロップレトロ缶
中小企業が潰れるのは、すべて原料高騰やコロナ禍のせいとなってしまうと、中小企業団体が票田の政治家が唱える経済援策は「バラマキ」しかなくなってしまう。老舗企業が潰れるのは助成金が足りないから、大企業に負けない技術を持つ町工場が閉鎖するのも補助金が足りないから……という感じで中小企業経営はバラマキを前提としたもので、国からいくら引っ張れるかが生命線になってしまう。そんな旧ソ連のような国で経済が成長するワケがない。
佐久間製菓の廃業から学ぶべきことk8 カジノ 佐久間製菓の廃業から学ぶべきこと
777 タウン ネット 佐久間製菓の廃業からわれわれが学ぶべきは、「中小企業が大企業のような戦い方をしてはいけない」ということだ。大企業に負けない技術があっても資本力やネットワークがないので結局、消耗戦に疲弊して馬群に沈んでしまう。だからこそ、中小企業ならではフットワークの軽さや、ユニークでニッチな視点が必要だ。
しかし、中小企業はオーナー社長が多いこともあって、どうしてもワンマン経営に陥りやすい。株主が経営に口出ししてくることもなければ、労働組合が騒ぐこともないので、どうしても「独善」のワナにハマってしまう。
中小企業支援というと、日本では助成金などのバラマキや、「最低賃金の引き上げをしない」という方向に流れがちだが、実はもっとも必要なのは、ワンマン経営者に外部の視点でアドバイスをして、ブルーオーシャンに導くような仕組みなのではないか。
窪田順生氏のプロフィール:
テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。
近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター “モミ消しのプロ”が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。
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